はぁもにっき

旅立ちの3月~最後のとき~

みなさん、こんにちは

園長の山下真由美です。

園の前にある河津桜も咲き

だんだんと春の日差しを感じる日が

増えてきました。

 

園舎の中では来週行われる卒園式で

歌う歌を年長児だけでなく

年中さんや年少さんも

口ずさんでいます。

 

もうすぐ、この年長さんが

はぁもにぃを旅立っていくのが

近づいているのだなと思うと

胸がきゅーっとなりますが

門出に嬉しい気持ちも

もちろんありますので

本当にこの時期は複雑です。

 

今日は、毎年、保護者の皆さんに

お伝えしている詩をご紹介したいと思います。

 

ぜひ、子育て中のお父さん、お母さんに

読んでいただきたい詩です。

 

「最後のとき」

 

赤ちゃんをその腕に抱いた瞬間から

あなたはこれまでとは

全く違う人生を生きる

以前の自分に戻りたいと

思うかもしれない

自由と時間があって

心配することなど

何もなかったあの頃の自分に

 

今まで経験したことがないほどの徒労感

毎日毎日まったく同じ日々

ミルクを与えて背中をさすってやり

おむつを替えては泣かれて

ぐずられて嫌がられて

昼寝をしすぎてもしなくても心配で

終わることのない永遠の繰り返しに

思えるかもしれない

 

だけど忘れないで……

すべてのことには

「最後のとき」があるということを

 

ご飯を食べさせてやるのはこれが最後

というときがやってくる

長い一日のあと子どもが

あなたの膝で寝てしまう

だけど眠っている子どもを抱くのはこれが最後

 

子どもを抱っこ紐で抱えて出かける

だけど抱っこ紐を使うのはこれが最後

夜はお風呂で髪を洗ってやる

だけど明日からはもう一人でできると言われる

道を渡るときには手を握ってくる

だけど手をつなぐのはこれが最後

 

夜中こっそり寝室にやってきて

ベッドにもぐりこんでくる

だけどそんなふうに

起こされるのはこれが最後

 

昼下がりに歌いながら手遊びをする

だけどその歌を歌ってやるのはこれが最後

学校まで送っていけば

行ってきますのキスをしてくる

だけど次の日からは

一人でだいじょうぶと言われる

 

寝る前に本を読み聞かせて

汚れた顔をふいてやるのもこれが最後

子どもが両手を広げて

あなたの胸に飛び込んでくるのもこれが最後

 

だけど「これが最後」

ということはあなたには分からない

それがもう二度と起こらないのだと気付くころには

すでに時は流れてしまっている

 

だから今、あなたの人生のこの瞬間にも

たくさんの「最後」があることを忘れないで

もう二度とないのだと気付いてはじめて

あと一日でいいから

あと一度きりでいいから

と切望するような

大切な「最後のとき」があることを

 

作 者 不 明

 

日々子どもたちと生活し

そして卒園というひとつの節目と共に

別れがくる私たち職員も

この詩とまったく同じです。

 

子どもたちとすごす

沢山の「最後のとき」を

ひとつひとつかみしめながら

この3月の一か月を過ごして

参りたいと思います。