はぁもにっき

小学生になると変わっちゃう?!

こんにちは。施設長の山下真由美です。

今日から11月ですね。ずいぶん寒くなってきましたが

皆さんはお元気にお過ごしですか?

この時期になると、年長のクラスの子どもたちは、小学校の就学児前検診というものが

あったり、ランドセルを買ってもらったりと、小学校への進学の準備が始まります。

 

よく、はぁもにぃの卒園児のお母さんから、保育園の時は元気に挨拶もできたり

靴もちゃんとそろえたり、自分から喜んでなんでもお手伝いをしてくれていたのに

小学校に行ったら、全然やらなくなっちゃって・・・・とかという嘆きの声や

本人が学校に行きたくないといってるとか、保健室登校をしているとか

学校の先生から、発達障害の可能性もあるかもしれないから

専門のカウンセリングを受けたほうが良いと言われたという声をきいて

驚くことがあります。

 

もちろん全てのお子さんがそうなるということではありませんが、

小学校に行くと、保育園の時の我が子と変わってしまったというような表現に

ずっと違和感を感じていました。

なぜ、保育園にはあんなに楽しく通ってきてくれていたのに

小学校に行くと行きたくなくなってしまうのだろう??

 

私の中での一つの仮説として

「その子自身が持っている「もの」。いわゆる個性がなくなってしまう。

もしくは薄れてしまう。もしくは何らかの力が加わって出せずにいる」

ということがあるのではと思っていました。

現に、様々な文献や研究などにおいても小学生や中学生の

自己肯定感(自分は自分のままで良い。自分のことが好き)

という数値は日本は諸外国に比べても特に低いという結果も出ています。

 

これまた、小学校に行く前のお母さんの一番の不安として

「先生、うちの子、ちゃんと授業を集中してきけるのかしら・・・

勉強についていけるかしら・・・宿題とか毎日できる自信ないんですよね・・・」

という話もよくききます。

保育園では自由奔放に毎日遊び、保育園の先生は比較的

一人一人丁寧に接して、その子の良さ、個性を伸ばしてきているから

小学校という違った集団、違った環境が不安なのも当然だと思います。

 

でもお母さんたちが一番不安に思っている、授業、宿題、テスト

これらが、そもそも「ない」小学校、中学校だったらどうでしょう?

保育園のような小学校、中学校だったらどうでしょう?

 

先日、板橋区の私立保育園の園長先生方と「きのくに子どもの村学園」さんに

視察研修というかたちで見学をさせていただきました。

以前から、はぁもにぃ保育園の目指しているミッション・ビジョンと同じだなと

非常に共感を持っておりまして、気になっていた学園でもありました。

 

このきのくに子どもの村学園さんは理事長は堀眞一郎先生という方が創設者で、

全国に4校、海外にも1校あります。

その中でも、この日は南アルプスの学校を訪ねました。

小学校と中学校が併設されており、ひとつの学年は20名ずつで

小学校も全体で130名くらいの小さな学校でした。

 

この学校の一番の特徴は、ずばり!!

いわゆる「授業」も「試験(テスト)」も「宿題」もないことです。

主に、プロジェクトと呼ばれる活動が一週間の大半をしめていました。

そのプロジェクトは全て小学校1年生から6年生までが

それぞれ、木工や演劇や家庭科のような調理の時間に参加して

主体的に、話し合いを繰り返しながら、何をどうやって成し遂げるのか

を真剣に話しあっていました。

 

まさに、はぁもにぃと同じ、異年齢の中で様々なプロジェクトを

その子の興味、関心において進め、自分で考え、選び、友達と共に

協力しあいながら成し遂げていく。というすごい小学校でした。

大人から押し付けられた授業、教科書や宿題がない分、

何をプロジェクトでやっていきたいか、という話しあいは

何度も充分に行われ、プロジェクトが進む中で起こってくる

様々な失敗や課題も、大人が先回りしてやってしまわず

子どもたち自身で考え、協力している姿をみて心から感動しましたし、

まさに保育園のような小学校だなと思いました。

 

これからの教育は、大学入試もセンター試験がなくなったりと

どんどん変容していきます。学ぶことは受験の為ではなく

自分が幸せになる為、社会をより良くしていく為なのです。

先生が教室の中で教えるというスタイルから

子どもたち自身自ら学び、選択していく中で自己決定していく。

一人一人の学ぶスピードや学びかたも多様性があり

教科書中心の学習から体験型の学習(アクティブラーニング)へと

変わっていくことでしょう。まさに今の子どもたちは、その過渡期に

生きているような気がします。

もう大人の古いものさしは捨てて、これからの子どもたちの為に

私たち先生も頭を柔らかく、多様性を受容していき、

変わっていく時なのだと強く感じました。

全ては、これからの世界を創っていく子どもたちの為に・・・

 

お読み頂き、ありがとうございました。

それでは、また!!